
AGNIユーザー訪問
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VISIT 04
モデルAGNI-CC_right
ユーザー群馬県K邸様
販売店ALLUMER(アリュメール)様
この日は、AGNIのプロダクトデザイナーも同行。実際に使うユーザー様の声を聞き、直接対話する貴重な機会となりました。
薪集めから始まる、AGNIのある生活
「薪を確保するために、軽トラックを買ったんです」
そんな一言から、薪ストーブへの本気度が伝わってきました。
近くの造園業者に声をかけ、倒木を管理所に問い合わせたり、廃材を引き取ったり。薪集めは、いつしか暮らしの一部になっていました。
薪の種類にも興味が湧き、クヌギや栗など、割りやすさや燃え方の違いを楽しみながら集めています。
「薪のことを考えている時間が一番楽しい」
と笑うK様。その姿には、趣味以上の熱量が感じられます。
冬に必要な薪は5枡分。乾燥しやすい土地柄もあり、薪棚には隙間なく丁寧に薪が積み上げられています。
この薪棚の積み上げも、楽しみのひとつ。丁寧に積まれた薪棚は隣地境界にもなり、実用と景観を兼ねた役割を果たしています。焚き付け用の薪もありますし、庭には大きめのソロストーブがあり、積めない不成形な薪はそこで焚き火をして無駄なく消費しています。


「リビングの真ん中に薪ストーブを置きたかった」自宅設計時、中央配置を希望したK様に、建築家は一度反対したそうです。しかし、ストーブ中心の家づくりを貫きました。
「居間に座ると、目の高さに炎がくるんですよ」
低めに設計された床のおかげで、ガラス越しに揺れる炎を、最も心地よい位置で眺められる設計になっています。
もちろん、ガラスは常にピカピカ。最高の炎を楽しむため、小さな手間も惜しみません。
K様邸のAGNI-CCは、鋳物のメンテナンスがなされ、ショールームに展示されているかのような佇まいです。
暖房を超えて、社会循環の中にいる実感
「冬はこのストーブだけで十分。家中に暖気が行き渡り、自然と空気が循環する家になりました」
薪ストーブを使うことで、地域とのつながりも生まれました。間伐材を燃やし、出た灰は近所の農家へ。農家からは、収穫された作物のお裾分けが届く。そんな小さな循環を、日常の中で実感できるようになったのです。ストーブを中心に据えたことで、家族や地域との関係も、豊かに育まれています。


AGNIのデザイナーと交わした、薪ストーブ談義
薪ストーブを囲みながら、ユーザーとデザイナーの会話が自然に始まりました。
ユーザー様:「家の真ん中に置いたんです。背面もきれいで本当に良かった」
デザイナー:「後ろも見られる事を意識してヒートシールドをデザインしました」
ユーザー様:「AGNI-Cは何を意識してデザインされたのですか?」
デザイナー:「日本初の本格的な鋳鉄製薪ストーブであるので、日本の空間に合う様に端正な佇まいをイメージしました。開発当初、販売会社の意見では国産薪ストーブは絶対売れないと言われていたので、余計に日本にこだわろうと思ったんです」
「また、日本人って何にでも目や口を描くでしょ。モノに人格を与えやすいメンタリティがあり、愛着を超えた愛らしさ、相棒と思える可愛らしさを脚部やハンドルの表現に込めました」
ユーザー様:「私はAGNI-CCですが、AGNI HUTTEも愛らしいですよね」
デザイナー:「AGNI HUTTEでは、友人の愛犬をモデルに更に存在感を強調しました。ドアパネルは、森の人と呼ばれるオランウータンの顔にもみえますね」



ユーザー訪問を終えて
薪を集め、積み、火を起こし、炎と暮らす。
そのすべてが、ただの作業ではなく、自分と社会をつなぐ喜びに変わる。
K様のお話をお聞きして、AGNIは、そんな暮らしを運んできてくれる存在であることを再認識しました。
そして、いま、ヨーロッパ市場でも注目を集め始め、いよいよ世界へ。
ユーザー様と開発者たちの想いをのせて、AGNIは、静かに確かに、炎を広げています。
